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2012年5月25日 (金)

しめきり

2012_0525_4先日、北海道の某大学の運動部で、飲酒を強要された男子学生が死亡する…というニュースがあった。「またか…」と呆れるとともに、「いつの世も、権力を振りかざす人間の性癖は変わらんなァ…」との思いを強くした(あくまで推測だが、酒を直接強要したのは、そういった性癖の輩だろうと考える)。

コトあるごとに公言しているが、ボクは「体育会的組織」が大ッ嫌いである。

誤解しないでほしいが、組織で上位の者を立て、下位の者は上位者に従う(あるいは従わせる)のは、組織運営上重要だと思っている。ただ、あくまで「組織の運営」においてであり「人間的な上下関係」ではないはずなのだ。ところが中には「組織内の上下関係=人間的上下関係」と勘違いする輩がいる。
こうした“勘違い野郎”は、えてして体育会に多い。

今回の事件で言えば、飲酒を命じることは、組織運営とは全く関係ないはずだ(ましてや、未成年に強要しているのだから、違法行為を命じたことにもなる)。これで件の部は消滅することになりそうだし、先輩連中は何らかの処分を受け、今後は「人ひとり死なせてしまった」「部の伝統を消してしまった」という負い目を背負って生きて行くことになるだろう。当然の報いである。

ハナシが固くなってきたので、ちょっとだけ話題をズラす。

体育会的組織は企業にも往々にして見られる。与えられた役職を自らの人間的能力と勘違いし、権威や権力を振りかざす“能無し上司”の話題は、全国どこでも事欠かないようだ。実際、ボクがかつて勤めていた広告会社にもいた。いろんなエピソードがあるが、例えばこんなコトがあった。

ボクが勤務していたのは千葉支社だったが、組織の上では、いくつかの支社をまとめた「事業部」の下に置かれていた。その「事業部長」が、まさに“勘違い野郎”であった。

ある日、事業部長殿は、何を思ったのか、オフィス内に2カ所あった廊下への出入口の1つを「使用禁止」にした。今後は1つのドアから出入りしろと言うのである。理由は今も分からない。使用を禁じたドアには鍵をかけ、支社でたった1人の制作部員だったボクに「しめきり」と書いた張り紙を作れと命じた(手書きでもイイだろうに、わざわざ太ゴシックでプリントアウトせよと言うのである)。

大した手間ではないので「閉め切り」と印刷して持って行った。すると事業部長殿、
「字が違うじゃないか!」
と言う。ボクは「え?」と思い、ドアを閉めたままにするのだから「閉め切り」でイイと思うと言ったのだが、事業部長殿は憮然とした顔で納得しない。仕方なく、
「…どんな字でしょう?」
と聞き返すと「制作部なんだから自分で考えろ」とかエラそうに言う(ちなみに、この事業部長氏は営業部出身)。

辞書で調べても「閉め切り」で合っていると思ったが、「まさかなァ」と思いつつ、今度は「締め切り」とプリントして持って行った。するとまたしても、
「違うだろう! 制作部なのに、こんな字も分からないのか!」
と語気を強め、ペンで殴り書きしたメモ用紙には、こう書かれていた。

「〆切」

……ボクは唖然としたが、こんなツマラナイことで時間を取られるのはバカらしいので「分かりました」と言って席に戻り、その通りにプリントして持って行った。

そして、ドアにデカデカと貼られた「〆切」を見て、事業部長殿は満足げだったのだが、同じビルに入っていた他社の人はどう見ただろう(広告会社だけに、〆切厳守のスローガンと思ったかもしれん……)。

後日、違う支社に常駐している、ボクの組織上の上司にこのハナシをしたら「まァ、あの人の言うことは“神の声”だからね」……。

この一件で、ボクはますます、この事業部長氏は「大したヤツじゃねェ」との思いを強くし、こんなヤツを事業部長に置いておくこの会社も大した組織ではないと結論づけたのだった。
実際、それから約1年後に会社はツブれてしまったのだが、件の事業部長殿は、直前に会社が危ないことを察知し、部下を放ったらかしてサッサと逃亡退社してしまった。

最後まで本当に大したヤツじゃなかった。

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